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[実録]37歳高卒未経験から8ヶ月でAIエンジニアに転職 ~ 実体験を基に解説 ~

\2023/06/26追記/
この記事を公開してから約2年近く経ちました。世間のAIへの関心はChatGPTによってますます高まっていますね^_^。この記事を元に2023年最新版のオススメの独学方法やプログラミングスクールをまとめたサイトを作ってみました。是非チェックしてみてください→https://gachi.jp/

こんにちは、シンジです。

この記事では2019年5月に未経験からAIを学び始めてから2020年1月に就職するまでの軌跡を書きたいと思います。

目次

AIを学び始めた経緯

まず簡単に自己紹介をさせて頂きますと、AIを学び始める前はある上場企業のスタートアップスタジオに所属して新規事業開発をやっており、更にその前は個人でECサイト運営していました。

事業を通して社会に変化を与えたり、その変化の中に身を置くことが好きで、それを原動力に仕事をしてきたのですが、スタートアップスタジオでの事業開発が行き詰まってしまい途方に暮れていたのが2019年の春のことです。

「これから何をやっていこうか?」と自問自答すること1〜2ヶ月。

その時に気づいたのはこれからも過去と同じように、変化の中に身を置いて冒険するような日々を送りたいという気持ちが自分の心にあること。

そして「これからの社会を変えていく大きな波はなんだろうか?」と調べた結果、二つの大きな波を見つけました。

それは一つがグローバリゼーションで、もう一つがテクノロジーです。

アジアやアフリカを中心とした人口が増加し、そこに住む人達が消費して世界にうねりを生み出す波と、AIやブロックチェーンなどの最新のテクノロジーが既存の産業を再構築していく波。

またテクノロジーに絞って見てみた場合、特にAIは他のテクノロジーに影響を与える基盤となるテクノロジーだという結論に。(この頃読んだ[Yahooの孫正義さんのインタビュー記事](またテクノロジーに絞って見てみた場合、特にAIは他のテクノロジーに影響を与える基盤となるテクノロジーだという結論に。(この頃読んだYahooの孫正義さんのインタビュー記事は印象に残っています )

「AIに関わっていれば、会社員であろうが起業家であろうが大きな波に乗ってワクワクした日々を送れるだろう。」単純な僕はそのように考えて、2019年5月からAIの勉強を開始しました。

G検定の受験

漠然と勉強するよりも目標があったほうが良いだろうと思い、まずはJDLA(日本ディープラーニング)が実施している、AIに関わるジェネラリスト向けのG検定を受験することにしました。

AIのこともG検定のことも全く知らなかったので、G検定に申し込む前にアイデミーさんが開催していた初心者向けのイベントに参加しました。
勉強を始める前に、AIの専門家から話を聞くことでAIを勉強していくイメージを掴めたのが良かったです。

【アイデミー】AIを学んで一発逆転のキャリアチェンジ!


7月のG検定に向けて勉強することでAIの歴史や基本的なアルゴリズム、ビジネスへの応用などAI関連の知識をざっくりと網羅。

使用した教材
・G検定公式テキスト
・AIの教科書
日経クロストレンドのAI関連特集(G検定対策の動画もあります)

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当初は転職のことは具体的に考えていませんでしたが、勉強を始めてAIが持つポテンシャルを具体的に理解することが出来た頃に、AIエンジニアという職業を意識し始めました。

もし本当に転職するなら、高卒でAI未経験のおじさんには非常に厳しい転職活動が待っているのは間違いありません。

「何かしらの武器が必要だ。」

そのように思い、同じくJDLAが8月末に開催するAIエンジニア向けのE資格の受験を決めました。(認定プログラミングに通うために20万円近くかかるため躊躇しましたが、まだ合格者が少数なので有利だと判断。)

E資格の受験

E資格はエンジニア向けなので、大学初級レベルの数学を使用したAIアルゴリズムの理解やPythonでのプログラミング能力などが問われます。

そのため最初に中学レベルの数学から学び直すことにしました。(高校卒業以来20年ぶりだったため、高校数学だとレベルが高すぎるように感じました。)

この時に勉強したのは高校レベルまで。(大学初級レベルは参考書を見るとやる気が失せたので後回し。)

使用した教材
・難しい数式はまったくわかりませんが、微分積分を教えてください!
・東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!
・ふたたびの高校数学
・ふたたびの微分・積分

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次はPythonの基礎的なコーディング。(ここでは以前に事業開発をしていた際にRubyを使ってWebアプリケーションを実装した経験が活きました。)

使用した教材
ProgateのPythonコース

そしてAIアルゴリズムの勉強です。認定プログラミングの講義を最低限理解するために基本的なアルゴリズムを覚えました。

使用した教材
Chainerチュートリアル
・人工知能プログラミングのための数学がわかる本

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ここまで終わったところで7月からE資格の認定プログラミングがスタート。

勉強方法が自習中心から認定プログラミング中心に変わりました。

僕が通った認定プログラミングはAVILENの「全人類がわかるディープラーニングコース」で、全6回に渡って毎週日曜日に各4時間の講義を秋葉原の教室で受講しました。

リカレントニューラルネットワークや強化学習など始めて知る応用分野も多く、Pythonを使った演習課題に追われながら、なんとか食らいついていき講座を修了。(E資格に合格することより講座を修了することのほうが大変でした)

使用した教材
・ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装
・最短コースでわかる ディープラーニングの数学

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その後8月末に受けたE資格に合格でき、いよいよ就職活動がスタートしました。

就職活動

今から振り返ってみると内定をもらうまでに3ヶ月ほど掛かっているのですが、その期間は前半と後半に分類できます。

前半は希望する職種や企業の方向性を決めた期間です。

過去の僕は個人事業主や起業をしていた時期が長く、そもそも真面目に就職活動をするのがほぼ初めてだったので、まずは就職活動の雰囲気を掴むために大手の転職サイトに登録し、東京ドームなどでおこなわているイベントに参加。

またこの時期には「E資格の合格だけで本当に未経験からAIエンジニアにできるのか?コンピュータサイエンス博士号を持っていないと無理なのでは?」「まずは過去の経験を活かしてECサイト運営会社でWebエンジニアとして就職したほうが良いのではないのか?」などと悩みがあり、転職活動の方向性を見失っていました。

そこでプログラマー経験のあるフリーのキャリアカウンセラーの面談を受ける機会を持ち、第三者の客観的なアドバイスを受けることで、方向性を明確にすることができました。

その時に決めたのは、過去の経験を活かした転職活動は止め、将来的に目指したいAIのコンサルタントや事業開発から逆算し、それが実現できるAIサービスを自社開発している会社やSIerでAIエンジニアとして転職すること。

これによって後半の実際の応募と面接に臨むことが出来るようになりました。

応募に使用した媒体はWantedlyとtypeとDUDAとGreenの4つで、気になった企業には大手であっても躊躇せずに応募。

また転職活動と平行してAIアルゴリズムを含んだポートフォリオの作成をおこない、内定を貰う確率を上げる努力は継続しました。

使用した教材
Techpit
Udemy

トータルで30社ほどに応募し、そのほとんどの企業からは返事すらありませんでしたが、傷つくことを恐れずに応募を継続。(この時に励みになったのがキャリアカウンセラーに言われた「オファーを出すことだけはタダ」という言葉。)

結果的に2社の最終面接に進み、そのうちの1社であるAI系のSIerの(株)KUNOから内定を貰って入社を決め、2019年12月末で転職活動を終えました。

ここからは30代後半の未経験から転職活動をする中で気づいたAIエンジニアの就活事情を簡単に共有したいと思います。

孫子の兵法に「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉がありますが、これは転職活動でも当てはまり、雇う側の企業と応募する側の自分自身の両方を分析することで転職というマッチングの確率を上げることが出来ると思います。

まずは企業についてですが、自社サービス運営企業(楽天やメルカリなどの大手企業だけでなくスタートアップも含みます)にAIエンジニアとして転職することはとてもハードルが高いです。

コンピュータサイエンス関連の学位の取得が応募条件になっていることも多いですし、東京の会社には日本が好きな海外出身のAIエンジニアも応募してくるため、日本だけでなく海外の優秀な応募者との競争になってしまい、30代の未経験が採用される可能性はほぼありません。

一方、業務委託契約であるSES(System Engineering Servcice)の場合は自社で教育して育てようとする傾向があるため未経験でも採用されやすいですが、基本的には他社に派遣される形態なので、自分の意志で仕事を選ぶのが難しいデメリットがあります。

次に企業の設立月日による比較です。

僕は設立から日が浅いスタートアップなら、人手が足りていないため未経験でも採用されやすいと思っていました。

しかしこの認識は間違いで、設立当初のような人や時間などのリソースが限られた環境においては、フルスタックでパワフルにサービスを立ち上げいける経験豊富な人が求められ、未経験を育てているような余裕はありません。

逆に設立から10年以上経過し上場している企業の場合は、新卒や第2新卒などの20代前半の若い人を育てようとするので30代の未経験は採用されにくいです。

次に応募する側の自分自身についてですが、この記事の前半で書いたように資格を取ったりポートフォリオを作って最低限のAスキルを身につけて、AIエンジニアとしての可能性を示す必要があります。

30代前半までならこれだけでも採用される可能性がありますが、30代後半ではまず無理なので「AIスキル+○○」が必要。

○○は過去の経験で、営業が強いAIエンジニアやデザインも出来るAIエンジニアなどをアピールできると企業から欲しいと思って貰えます。(僕の場合は発信力を評価して頂きました。)

まとめると転職活動は企業と応募者のマッチングであり、お互いが成長して変化する過程でタイミングが合った時にマッチングが成立するものです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。いつかどこかで皆さんにお会いできるのを楽しみにしております。

追記(2021年9月)

先日AIエンジニアへの転職を目指している方とお話しする機会があり、「もし2021年の今、未経験からAIエンジニアとしての転職を目指すならE資格を受験するか?」と聞かれました。

結論、受験しない可能性が高いです。

E資格自体は今でも1からAIのエンジニア能力を高めたり、それを周囲に認知してもらうためには有意義な資格だと思います。

ただ30代後半の未経験からAIエンジニアを目指すという難易度の高めな結果を生むためには何かしらの希少性を生むことが戦略として重要です。

そのための手段はタイミングによって変化し、2021年の今だとコロナ禍で転職市場は求人が減り求職者の立場が弱くなっていること、加えてE資格の合格者が増えて2年前ほど希少性がないため、手段としては微妙だと感じています。

使う教材としてはCourseraのDeepLearningコースが良いです。

E資格のように高額な支出は不要で、月額数千円でPythonを使って楽しく世界標準のAIの知識を学べます。(難易度はE資格と同等)

また、これに加えてコロナ禍で需要が伸びたサービスをポートフォリオとして作り、他の志望者との違いを作りたいです。

コロナ禍で需要が伸びたサービスの例としては以下のようなものがあります。これらに類似するシステムを作り、更にサービスとして運用して実際にユーザーがいるような状態にできれば希少価値が高まり尚良いです。

・ZoomのようなWebRTCのコミュニケーションツール
・非接触に対応した顔認証システム
・マスクをしていても表情や感情を認識できるAIモデル

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 今晩は。夜分遅くにすみません。私は今年24歳になる一人暮らしの高卒フリーターのものです。最終学歴は進学校でもなんでもない偏差値40の高校出身です。去年の7月まで日雇いの派遣を転々としたりとしてそのひぐらしの日々を過ごしていました。去年の8月からは派遣社員として工場で働いていましたが今年の8月に派遣ぎりにあいクビになりました。今はショックで落ち込んで引きこもってプータローをしています。今更ながらようやく尻に火がついて将来を真剣に考えるようになりました。何か高卒でもなることができて(それでいて稼げそう)なおかつ将来性のある仕事はないかとネットサーフィンをしている中でたまたま幸運にもシンジさんのブログを見つけることができました。金銭的に大学に通いながら働くのはちょっと厳しいのですが今からプログラマー(or
    AIエンジニア)を目指すというのは浅はかな考えでしょうか。またプログラマーやAIエンジニアの年収は高いのでしょうか?そしてお金目当てに目指すというのもやめておいた方がいいのでしょうか。
    シンジさんなら私の立場ならどのような作戦で戦いに挑みますか?

    • コメント頂きありがとうございます。

      ご質問に回答させてもらいます。

      結論、「2023年の今からお金目当てでプログラマー(orAIエンジニア)目指す」ことはオススメできません。

      理由としてはお金目当てや憧れでプログラマー(orAIエンジニア)を目指しても継続できないからです。

      自分の周りを見てみると、プログラミングや機械学習が好きな人がプログラマー(orAIエンジニア)として活躍しています。好きだからこそ休みの日も勉強でき、そこで得たスキルを仕事に還元して活かせます。

      もし、お金目当てで転職までできたとしても、転職後に苦しくなって挫折してしまうことでしょう。

      楽しくないと継続できません。

      そのため、まずは独学でPythonや機械学習を学んでみて好きかどうかを確かめてみることをオススメします。

      以上、ご質問への回答になります。

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